事業用定期借地権

財産が増えない相続税対策

つまりへの政策転換だとも言える。足に対する数の確保の時代が終わり、質の時代だということで居住面積を増やすことに勤めてきた。
それもヨーロッパ諸国とは遜色のない規模にまで居住水準も向上したのだが、今後は生活の豊かさを取り入れる時代だという宣言でもあるこうした国の住宅政策に対する考え方の方向転換が多摩ニュータウンの場合にはどのような対応が可能なのか、稲城市、多摩市、八王子市、町田市の四市に跨ったエリアをどのようにコントロールするのかが課題である。
れまで、住宅不足を補うように大量に供給された公営住宅がある。
その全てが都営住宅でその分布は最近の開発では利便地区にも配置されているが、初期の開発地区では比較的不便地区に集中して配置されている。とりわけ多摩市域での公営住宅は大規模に集中して配置されて

おり、初期の都営諏訪団地は一五00戸余りが集団で供給されている。

低所得の世帯の集団という事実はぬぐえないのだから当然のように偏見も生まれる。戦後の公営住宅制度はこうしたこうした政策のひず差別を全国至る所に作ってきた。今般の制度改革でどこまで見直せるか、みを改善する努力が必要になる。新たな政策は豊かな住生活を目指しており、公営住宅が集積することはむしろ不幸な事なのだということを認識しよう。波があるのが人生だが、その度に家を移るのはか個々の家族は時に裕福にも貧しくもなる。なわない。しかし、日本の住宅制度は理不尽だ。
金持ちは家を買い貧しい人は公営住宅に入れということのようだ。金持ちは金持ちであり続けることは困難だし、貧しい人もいっまでも貧乏ではない。住宅政策は供給する側からの論理で進められてきた。そろそろ利用者側からの論理で住まいを考える仕組みをつくりたいと考えている。少なくとも自分たちの居住している多摩ニュータウンでは、豊かな住生活を確保できるように偏見のない環境を実現したい。

ニュータウンに未来はあるか第四章多摩ニュータウン研究多摩ニュータウンの誕生戦後の日本経済を支えるために地方から都市に集中した人々はこぞって住まいを求めるようになった。
なるべく退職金を使わずその産業構造も作用して多様な都市形態を作り拡大していった。都市の形態は、そ郊外に大規模な住宅地が開発され今日を迎えている。して各地で住宅不足を補うため、国家的な大都市周辺の大規模ニュータウン事業から地域的な問題解決型のニュータウンなど多様な住宅市街地が生まれた。高蔵寺ニュータウン、千里ニュータウン、多摩ニュータウンなど国家的なニュータウン事業は、大都市に集中した労働者のベッドタウンとして大量の需要に支えられて開発が始まった。
また、地方の核都市や企業城下町では、集中する労働者の居住地を支える為に、農地をつぶし海浜部を埋め立て丘陵部や谷合い部を造成した。都市に人口が集中することによる市街地の拡大、これらは殆どが戦後、日本の産業の勃興と共に生まれてきた新しい住宅市街地、ニュータウソである。
こうしたニュータウンの今後は、産業構造の変化、予測されている人口の減少、そして引き続き始まる世帯数の減少によって、居住者のいない余剰住宅空き家を生み出すことになる。
そして利用されない住宅は建物管理もおぼつかなくなると、急速に老朽化し居住に耐えないストックとなっていく。空き家の目立つ地区では破壊行為などのバンダリズムが始まり、コミュ住宅市街地そのものが維持できない状況になる。これらは決して予想でニティの崩壊に続き、きない他人事ではなく、その可能性は、どのニュータウンにも内在している。

の衰退は例えが極端かもしれないが、端島通称軍艦島日本の炭坑の街は衰退し再起に向夕張メロンは有名だ。しかし、力及ばず衰けて涙ぐましい努力をしている。

北海道夕張の退を受け入れなければならなかった街も多く、こうした事態は今後の日本の至る所で起こってところが、くる事象でもある。衰退する都市とは打って変わって元気になる都市も出現するすなわちイギリスの都市政策で言われるホットスポットとコールドスポットの関係である。魅力のある都市に人は集まり、そうでない都市は見捨てられる。にわかに現実味を帯びた縮小経済下での衰退のシナリオを前郊外のニュータウン居住者は、に、何を思っているだろうか。
まだ、事態が飲み込めず安穏としているのだろうか、それとも空き家が目立ち始めた地域の住宅事情を前にして戦々恐々とした面もちでいるだろうか。とりベッドタウンとして位置づけられた住宅市街地では住宅需要が市街地存続の命運を占うわけ、だけに、今後の方向を予測し対策を練ることは重要である。そこで我が国最大の新住宅市街地その方向を探っていく。
である多摩ニュータウンに凡を求め、

多摩ニュータウン研究事始め多摩ニュータウンを研究する場合に最初にふれるのが多摩市のデータである。
多摩市は多摩ニュータウンによって生まれ、多摩ニュータウンによって形成されてきた歴史を持っている。人口の七割がニュータウン区域に住み、市域の六割をニュータウンが占めている。多摩市はニュータウン区域の人口が急速に伸びるに従って行財政規模も拡大してきた。
その成長はバブル経済期はで続いたが、ふくらんだ風船がいつの間にか萎んでしまうように、以降は人口の減少傾向に引きつられて市政も尻窄みの感がある。小学校や中学校の統合で六校が廃校になり、1100五年三月には市内の都立高校も廃校した。
既存商店街の衰退と閉店の連鎖は、象徴的に報道され、さらに大量に転入した団塊世代の高齢化が未曾有のスピードをもって多摩市の財政に追い打ちをかけるという悲惨なストーリーが描かれている。
「多摩市行財政診断白書平成十五年七月」を見ると誰もが多摩ニュータウンはすでに衰退の道を歩み始めていると思ってしまうし、救いようのない状況だと理解する。
夫が妻の通常の生活費のために出したお金は

保証金を自己資金として

住まいを守る
財政白書の目的が多摩市民及び行政内部にメッセージした警笛の役割だろうから、公表したことでその目的は達成された感はあるが、それが多摩ニュータウンの第一印象として深く刻印され、大きな誤解へと結びついている。しかし現状の多摩ニュータウンは必ずしも衰退している訳ではなく、むしろ伸びている。にもかかわらず、多摩市のみの情報によって全体が評されることに誤解を生む原因があった。
確かに多摩ニュータウン内には衰退の片鱗を感じる要素も見受けられるが、多摩ニュータウンは多摩市だけでは完結していないこと、四市が連担し成長を続けていること、周辺の市街地との関係性の中で生活基盤が位置づけられていること、多摩ニュータウンには相当な資産が眠っていることなどを掘り起こしてみると、あながち多摩ニュータウンも捨てたものではないと気づき始める。

多摩ニュータウン全体の人口は相変わらず右肩上がりで増加しており、企業の転入、産業の活性化が進んでいる。高齢化率は周辺都市よりもかなり低く、若年層の転入が相次いでいる。子供の比率は高く高齢化を呼び込むであろうと悪玉にされている団塊世代もやや高めではあるものの全国並みの割合である。このように多摩ニュータウンは決して衰退を目前にした市街地ではなく、むしろホットスポットとしてさらに顕在化する新都市であるかのように見えてくる。

こうした事実は、多摩ニュータウン全域の情報を集積してこそ理解ができる。従って今後の多摩ニュータウンへの取り組みは、これまでのように多摩市だけの情報をもって評価するのではなく、多摩ニュータウン全体の問題として行政区を越えた情報を整理して、広域の多摩ニュータウンを考えていくことが必要になっている。
多摩市、八王子市、町田市、稲城市の四市にまたがるのが多摩ニュータウンであるどの行政組織がイニシアチブをとっても十分でない状況がある。
東京都も多摩ニュータウンのみに限った検討を進めるには体制が組みにくい。そこで、今後は多摩ニュータウン市民が主導的にかかわって多摩ニュータウンを評価し、新たな多摩ニュータウンのあり方を探る必要があるここでは、多摩ニュータウン市民といったが、あえて多摩ニュータウンは市街地の形態や都市としての骨格が明確であり、都市の基盤そのものが周辺の市街地とは異なっている。

印鑑証明書そ都市経営の方針や土地利用の方向も既成市街地とは全く異なる方向を見いだす必要もあこで、り、行政での取り組みを待つのではなく市民自らが都市の経営を意識し、整った基盤を活かすあるいは住宅計画策定を推進する必要がある。都市計画、そのために多摩ニュータウンの現状を正確に捉えるデータの整理を行うことが欠かせない。その為には、これらについての体制作りを推進することが必要になる。多摩ニュータウンの全体把握住宅都市の姿を正確に見るためには人口よりも世帯数がふさわしいとした。また、人口減少が続く多摩市でも世帯数は確実に増加していることはグラフを参照していただければ理解できるはずだが、それがいっまでも続く訳ではない。
いつかは一定の世帯人員に収束し、やがて世帯数も減少する可能性を持っている。

国勢調査によると世帯の単位とは、家計を一つにする家族の単位であり、単身や夫婦のみの世帯が増えれば世帯数も増加することになる。ファミリー世帯の住宅を中心に開発した多摩ニュータウンは、現状のマンション中心の住宅ストックでは二世帯同居など多家族の居住は困難である。

こうした状況からすると今後さらに世帯人員の小規模化は進み人口は減少するが、世帯の数は減らず、定住が続けば空き家は見あたらないという状況が継続する。結果として、住まいの大きさは変わらないから居住水準だけは向上し続け、さらに「良好な居住環境を維持し続ける多摩ニュータウン」という評価になる。

こうした読みとりを行うためには世帯数のみならず世帯構成や住宅ストックの状況なども把握するほか、エリアごとの世帯状況と住宅ストック状況などの詳細なデータ管理が必要になる。しかし現状では、こうした情報の収集は多摩ニュータウン全体に関することについても、地区の特性を区別することも難しい。多摩ニュータウン全体のデータが揃っていないので、多摩市だけの情報やデータでの判断を余儀なくされる場合があり、こうした事情を理解していただいた上で本書も読み進めていただきたい。
行政区域を跨っている多摩ニュータウンの難しさがここにあるまた、多摩ニュータウンを理解するためのデータ収集は、国勢調査では比較的詳細な区分に沿って集計はできるが、住民基本台帳では各市の情報開示のレベルが異なり、また町丁目の区分は出来ても多摩ニュータウン区域が町丁目と合致していないため、人口や世帯数が明確に区分できない状況がある。

たとえば、町田市では小山町と相原町の一部が多摩ニュータウン区域に含まれているが、その多摩ニュータウン区域のみのデータは公表されていないなど、多摩ニュータウン区域のデータ整理には、ある程度の類推が必要になる。このように、多摩ニュータウンを区分できないと地区の検証は難しく、相変わらず多摩市の

データを持ってきて多摩ニュータウン全体を語るという暴挙に出ることになってしまう。

こうした状況を改善しようと、地域の活動で係わっているNPOFUSIONで都市機構の調査協力をする形で多摩ニュータウン調査を1100三年度に行ったが、データ集計に十分な費用を投入できず、分析半ばである。
とはいえ、多摩ニュータウンの情報はきちんと整理されるべきで、それをまとめるのは国なのか東京都なのか都市機構なのか、それとも四市なのかと議論も分かれるであろうが、ここでもやはり多摩ニュータウン市民が意義をもって取り組む仕事ではないかと思ってる。
私も多摩ニュータウン市民として一助になろうと思っているし、「多摩ニュータウ理事を務めているも主体的に多摩ニュータウン研究に取りかかれる人材を擁していン·まちづくり専門家会議」ると自負している。

増改築または再築に建築確認が必要な場合

保証金返還請求権

今後、そのような機会があれば是非取り組んでみたいものである持ち家と借家の空き家の意味するもの多摩市の第二次住宅マスタープランでは市街地の特性別に空き家の実態調査が行われているその調査結果から様々な特性を読みとることができる。地元の地権者が住み、またアパート経営をしている区画整理区域では集合住宅の空き家が1111.六パーセントと多摩市の平均をかなり上回っている。これは区画整理区域にはワンルーム·マンションをはじめとする賃貸マンションなどが多く、比較的分譲マンションは少ないので、空き家の多くは賃貸住宅であると想定される。
また、区画整理区域の戸建一パーセントと新住区域のて空き家率は五·三·三パーセントよりはやや高い値であるがこれについては地元の持ち家世帯が居住している区域であることから、賃貸活用が主ではないと考えられる。一方、新住区域では戸建て空き家率は区画整理区域に比較して少なく、111,11パーセントの空き家率は殆どが利用されていると理解することができる。
さらに集合住宅についても五·一パーセントと区画整理区域とは異なり極めて空き家率が小さい。これは新住区域全体が空き家の少ない状況であると理解できる。

この場合、戸建ての空き家率と持ち家マンションの空き家率が同一と仮定し、分譲と賃貸のマンション比率を同じとすれば、賃貸マン·八ポイント上昇させた率で六,七パーセントの空き家があると想定すションの空き家率は一ることができる。しかし、その値も区画整理区域での空き家率と比較すると約半分であり、新住区域の賃貸住宅も比較的空き家が少ないことがわかる。人気が高つまり新住区域の住宅は、

く空き家が生まれにくい住宅ストックであるという状況がわかる持ち家借家別の空き家状況の既往調査は無いが、多摩ニュータウン全体では、多摩市と同様に持ち家は空き家が少なく、賃貸に空き家が集中していると想定できる。

多摩市の新住区域の賃貸住宅は公的賃貸住宅であり、比較的古いので家賃が抑えられており、低所得世帯や高齢者等の入居しやすい条件が整っていることから空き家が少ないと思われるしかし、同じ公的賃貸住宅であっても八王子市域では、調査データこそないが、現地での踏査ではかなりの数の空き家が発生しているようである。他の事情も重なっているとは思うが比較的新しい公的賃貸住宅に相当な空き家が発生している状況がある。
移動しやすい賃貸住宅居住者は社会的経済的な動きに敏感で、今後の賃貸居住者の移動傾向や空き家の発生状況に注視することが必要になる。
立会証明書このように多摩ニュータウンの空き家の発生は賃貸住宅から現れると思われ、市街地の空洞化も賃貸住宅団地から始まると考えられる。言い換えると公的賃貸住宅の空き家の発生動向が多摩ニュータウンの活力を左右するきっかけになるだろう。現地を見た限りでは、最近の都市機構賃貸と公社賃貸の空き家は尋常でなく、場所によっては住戸の半分が空き家ではないかと見られる団地もあり、相当な空き家が発生している。
もともと、バブル経済以降、都公社の都民住宅などの供給が八王子市域で始まったが、入居者が充分埋まらない状況の中で、タイミング良く三宅島の避難が始まり、これらの住宅ストックが役立ったという経緯がある。
こうした一時的な三宅島民の避難住宅としての役割が終了したことから、八王子市域の都民住宅に空き家が集中したという必然的な背景もあるが、それだけでは説明しきれない空き家発生のメカニズムが隠されているようにも思える最近の民間のマンションラッシュで賃貸から分譲への移動が誘引され、おそらく、比較的家賃相場の高い公的賃貸住宅に空き家が集中していると思われる。
今後はこれらの空き家状況の推移がどうなるのか。
このまま空き家が続くのか、それとも外から転入して空き家が埋まるのか、今後の動向が気になるところである都市機構に確認しても実際の数値は企業秘密ということで教えてもらえないが、最近の機構と公社の家賃改定が比較的新しい住宅についての大幅な家賃減額であったことが、空き家の深これらの空き家の状況については、刻さを物語っている。

地域に居住する者にとってはいささか気になるところであり、早期に入居者を確保していくことが地域の活性化に繋がることであり、空き家のまま放置しておくことが問題を生み出すことであることを承知している。こうした良質な住宅ストックを無駄にせず、多摩ニュータウンに居住したいとする新たなニーズを喚起することができることを期待したい。多摩ニュータウンの賃貸住宅多摩ニュータウンの新住区域の賃貸住宅は都営住宅と都市公団旧公団、都公社の供給した公的賃貸住宅に限られており、全体で二四000戸ほど供給されている。
しかし賃貸住宅の実分譲マンションや戸建て住宅の賃貸住宅としての活用があり、統計的なデータは態としては、ないが分譲住宅の約五パーセントほどの賃貸化があると仮定すると、新住区域で一五00戸ほどの流通があると思われる。総数としては些少だが、分譲マンションの賃貸化はマンション管理の面で影響を与えて始めている。
今後、相続などで複数の住宅を持つ世帯も増え、個人の賃貸活用も増加すると予測される中で新たな団地問題として浮上することになるだろう。

このように見てくると、多摩ニュータウン全体を統計的に見る場合には建設戸数がはっきしている公的賃貸住宅を基本的な賃貸住宅として捉え、その上に分譲住宅の賃貸化を想定して加えるという捉え方になる。
相続税の速算表

納税者側

研究学園

これは、その結果、詐害的短期賃借権によって、設定したはずの担保が後順位の抵当権者に移転してしまうからであるやはり短期賃貸借制度は廃止すべきだ一0年近くにわたる地価の下落は、銀行の不良債権を増加させ、貸し渋りをもたらしているこれは、地価の下落だけが原因ではない。短期賃借権という法的に不備な制度のために、貸し渋りが生じ、金融機関の仲介機能に大きなダメージを与えている。短期賃借権が資金の貸出市場にどのような影響を及ぼすかについて、この章では、理論的な観点から検討した。第一に、短期賃借権は情報の非対称性があることを前提にすると、資源配分に対して中立的ではなく、貸出資金の減少をもたらすことを明らかにした。
第二に、短期賃借権を用いて債務者と後順位の抵当権者が結託する場合には、動学的整合性の問題が発生する資金の貸し手のインセンティブが失われる。
これらはいずれも、その結果、資金の貸し渋りを発生させる

金融機関の仲介機能を再生するためには、このような観点から、資源配分の効率性を改善し、(「短期賃貸借短期賃貸借制度を廃止する必要がある阿部泰隆·上原由紀夫が提案するように、これによって、短『NBL』一九九九年六月一五日号)。

保護に関する判例·民法学説の破綻」不良債権の処理も期賃貸借制度の悪用が防げるとともに、資金市場の効率性は著しく改善し、一定期間のこの制度の廃止によって失われる借家人の権利は、円滑に進展すると考えられる。明渡し猶予制度で十分に保護されるであろう。都市の生産性は大きく向上し、都市機能の再生とこれまで述べてきた提案が実施されれば、新しい産業これは、金融市場に生じている貸し渋りを解消し、地価の下落に歯止めがかかる。金融仲介機能の再生だけでなく、停滞している日本経済の構分野への融資を活発化する結果、造改革や景気回復が実現できる。
[謝辞]社会科学研究』(東京大学社会経済研抵当権と短期賃借権山崎福寿·瀬下博之本章は、また本稿を作成するうえで、瀬下博之究所、一九九九年)を平易に書き換えたものである。ここに記して感謝したい。氏との議論はたいへん参考になった。

阪棉·淡路大震災の教訓

一九九五年に起きた阪神·淡路大震災では、兵庫県だけでも一挙に二万棟の家屋が完全にまた、六千数百名の命が一瞬にして失われた。

埋葬許可証倒壊した。半壊や半焼を含めた家屋の被害は11四四万六000世帯もの人たちが家を失った。四万棟を超え、ストックの被害額はおよそ10兆円と推定されている。このような大地震による瞬間的なストックの減少に対して、住宅政策として何が必要だろうか。この章では、将来起こるかもしれない大震災に対しての備えとして、阪神·淡路大震災で起こった問題について、住宅政策の観点から考えてみよう。
宅をめぐる問経済学はこれまで有効な処方箋を書きえないと考えら大震災あるいは緊急事態に対しては、緊急事態においては、人々は冷静で合理的な判断が困難になるため、れてきた。市場による解決は、効率的なものとかけ離れてしまうことが予想される。しかし、だからといって、当局が大きな税金のむだ遣いを招く。
何から何まで人々の面倒を見るのは、それでは、民間の自主的な再建活動を阻害せずに、人々の暮らしを守ることができるのだろうか。まず、震災によって一挙に大量の住宅ストックが損壊した結果、新たな住宅をどのように手当てすべきかという問題が発生する。
検討すべきことは、住宅が不足しているのだから、早急仮設住宅で対応すべきかどうかという点であるさまざまな問題点が指摘されている。仮設住宅をめぐっては、緊急避難所から仮設住宅へ移満足な仮設住宅が手に入らないために、緊急避難所からなかなか人々が移動しようとしても、住しなかったという問題点が報告されている。

緊急避難所として指定されていた公民館や学校市役所のフロアに多くの人たちが居座った結果、業務の支障や教育現場でさまざまな混乱が発生したといわれている民間活動を阻害すべきではない神戸市のホームページによると、一九九九年の三月末時点でさえ、神戸市の仮設住宅使用-仮設住宅の使用期限は一九九九年三月で切れたが、その延長が帯数は三五00近くであった。
認められた。仮設住宅が完全に撤去されたのは、震災から五年弱を経た二000年11月であった。被災者に一時的な居住の安定を図ることを目的としたものである。仮設住宅は本来、したがって、にもか仮設住宅の質は最低限度の生活を営むためのもので十分であると考えられる。かわらず、仮設住宅の質を改善することや仮設住宅の長期的な利用についても、さまざまな要望がある。震災時における住宅政策はどうあるべきか。

結論から先に述べておこう。震災時における一時的な住宅ストックの減少に対して、深刻な住宅不足が発生する。この住宅不足を解消するために、政府が一時的に仮設住宅を供給することは望ましい。しかし、この公的な住宅が長期的な民間の住宅供給を阻害してはならない。政府による仮設住宅の供給が民間の住宅供給を阻害しないためには、いかなる政策が必要で仮設住宅の品質を必要以上に上げることは、あろうか。好ましくはない。

むしろ人々が仮設住宅から民間の賃貸住宅に速やかに移住できるよう、仮設住宅使用期限を厳格にルールどおりに運用すべきである。また、その際に仮設住宅から民間賃貸住宅への移行を速やかにするために

住宅切符制の採用が考えられる。

大きなお家ですね

柳に雪折れなし

価格と健康
仮設住宅の有料化と住宅切符制の併用によって、短期的な仮設住宅の供給と民間賃貸住宅の供給によって、短期·長期の住宅不足の問題は矛盾なく解決できるモラルハザードのおそれが一般に、堅固な住宅を造ろうとすれば、それなりの建設期間を必要とする。しかし、いますぐにでも住宅を必要とする人々に対しては、早急に対応しなければならない。ここに仮設住宅という需要が発生する震災時に公共用地の上に仮設住宅を建設して、そこに人々を一時的に避難、移住させるといきわめて合理的な判断であろう。もちろん、う政策は、仮設住宅はあくまで一時的なものであって、長期的な居住に耐えられるようには建設されていない。仮設住宅は建設も簡単なよう撤去も簡単にできなくてはならない。
に、しかし、ひとたびそこで人々が生活を始めると、この仮設住宅は仮設ではなくなってしまうかもしれない。一九五九年の伊勢湾台風のときに建設された仮設住宅にいまでも多くの人たちが住んでいるという話もある。そのほかにも、数十年も前の非常事態に建設された仮設住宅に、現在でもたくさんの人たちが住んでいるといわれる。このような事態は、果たして望ましいことだろうか。
これまでも多くの経済学者が論じてきたように、効率性の観点からは、公的に住宅を供給することに対しては多くの問題点がある。

公的に住宅を供給する際の問題点が、仮設住宅には典型的に現れる。いままでに何度も指摘してきたが、モラルハザードの問題と動学的整合性の問題がここでも発生する阪神·淡路大震災という非常事態で、被災した人たちは非常に不幸な経験を負っていることは疑う余地はない。しかし、ひとたび仮設住宅が建設されて、そこに居住できるようになると新たにみずからの生活を再建し、代替的な住居を構えようとする意欲を失わせることにならないだろうか。
これがモラルハザードの問題である一時的であったはずだが動学的整合性の問題点である。もう一点は、仮設住宅を早急に建設すること自体にそれほど反対一時的に発生した住宅不足に対応して、する人はいない。しかし、そのような住宅がひとたび造られると、かりにそれが仮設であっても、そのような仮設住宅から他の代替的な住宅へ移り住まなくなってしまう人が出てくる。
その結果、公的当局は仮設住宅に住む人々の生活を改善するようにとの政治的圧力を受けるようになる。
仮設住宅を長期の居住に耐えられるように手を加えることが要請される。このことも、仮設住宅に人々が住んだ後では、合理的な行動として評価される。しかし、仮設住宅はもともと短期の居住を目的として造られたものであり、事前的にはそれが望ましかったはずである。すなわち、一時的居住を目的としたはずの仮設住宅が本格的な住宅として機能するという矛盾が発生する。
公共用地という多くの人々が共有すべき財産を、その結果、一部の人たちが占有するという事態が発生する。
仮設住宅自体は、したがって、二年間という期間限定で造られたものである。長期にわたって健康で文化的な居住が営めるようにはなっていない。それにもかかわらず、長期の使用に耐えなければならなくなってしまう。したがって、最初から仮設ではなく、長期居住できるような住宅を準備すべきではなかったのかという疑問が生じる。

なるべく退職金を使わずこれが動学的整合性を満たさない

のは明らかだが、仮設住宅の不便さや住みにくさを指摘する人々は多いもしこのような批判に応えて、仮設住宅をいっそう便利に快適にしたり、堅固なものを最初からつくっていたら、人々の震災に対する備えや、震災後の生活を再建するための努力や、自助努力による代替的な住宅建設はどのような影響を受けるだろうか。
多くの人々が政府に依存住宅建設は遅れ、経済の再建はいつまでたっても、おぼつかないであろう。
する結果、残るの大幅な財政赤字と巨額の政府債務であろう。は、宅切符制とはさてそれでは、このような矛盾に対して、どのような対策が考えられるであろうか。この解経済学者たちは興味ある提言をしている。それは住宅切符制である。決策として、被災した多くの人たちを救済するためには、何らかの補助金が必要である。
また、新規の住宅供給も必要である。しかし、公的な住宅供給が民間の住宅供給を阻害してはならない。この住宅切符制が望ましい解決を与えてくれる。矛盾には、住宅切符制とは、所得や生活水準に!公的当局がこの基準に満たない被災者や貧困者に対して、定の基準を設定したうえで、住宅切切符を持っている人は、符を配布する制度である。

住宅供給者にその切符を手渡すことによって、無料ないしは割引料金で一定の住宅サービスが得られる住宅切符は、民間の賃貸住宅に住む場合にも、公的な住宅ないしは仮設住宅に住む場合にも使用することができる。最低限の住居をまかなうための切符であるため、一定の水準を満たさない質の悪い住宅の居住者に対しては、その住宅切符とさらに現金給付が追加される。また逆に、より質のよい住宅や大きな住宅に住みたいと考えている人たちは、切符の提供とさらに自己負担によって高い家賃の住宅に住むこともできる。このように、住宅切符は使途を住宅に限定した切符であり、他の用途には流用できない。
配給を受けた世帯はその住宅切符を家賃の一あるいは家賃の全部として用いることができる部として、も家賃を取るべきそれと同時に仮設住宅であっても、家賃を設定し利用者から徴収する必要がある。中心部から離れた不便なところは家賃を安くして、相対的に魅力のある中心地においては、仮設住宅の家賃も高いものに設定する必要がある。
被災者は配布された切符を用いて仮設住宅に住むこともできるし、民間の賃貸住宅に住むこともできる十分な数の民間住宅が建設されるには、11年間は必要であろう。
もし、仮設住宅の使用期限を厳格に運用できれば、民間の賃貸住宅供給者は仮設住宅の期限の切れる11年後の需要を予測して、新規の住宅建設を企画するだろう。これと住宅切符制を併用すると、仮設住宅の期限が切れる二年後に向けて民間の賃貸住宅の供給が促進される結果、二年後には民間の賃貸住宅に多くの人たちが吸収されることになるだろう。仮設住宅はあくまで期間限定の住宅である。
その原理原則を重視して、仮設住宅はあくまで仮設住宅としてのクオリティを追求すればよい。
二年後には民間賃貸住宅が供給されるので所得水準の低い人たちは以前と同じような住宅切符が配布される結果、同じような住宅サービスを受けることが可能になる。これが守られないと、ここで重要な点は、仮設住宅の使用期限を厳格に守ることである。民間の賃貸住宅は供給されなくなってしまう。

公的住宅が望ましい理由それならば、そもそも政府や自治体がしっかりした住宅を早急に建設して、それを長期永住可能な公的住宅として供給してはどうかという代替的な案が考えられる。

不動産を所有していること

時価が路線価を下回っている土地でも

しかしこのような公的住宅を建設することは居住を既得権化させてしまい、先に述べたモラルハザードの問題を引き起こす被災した人たちを救済するために堅固な住宅や、十分な質を備えた住宅を供給することは、短期的に人々の公正の感覚に合致するかもしれないが、長期的には大きなむだを引き起こす可能性が高い。それは、人々の自己再建意欲を阻害してしまうからである。被災者の生活を長期的に保障する住宅を提供することは、被災者のなかに存在する所得水準の高い人たちを過度に保護したり、また、被災者たちの再建努力を失わせることになる。そもそも長期の居住に耐え時間がかかり、緊急事態に対応するのは無理である。るような住宅を大量に建設するには、その意味で望ましくない。
したがって、公的住宅は、あくまでも緊急避難的な措置として仮設住宅の建設が認められるのである。早急に建設しなければまた、この住宅は仮設であって、ならないという条件を満たすために、必要最小限の機能を備えたものであればよいと考えられる他方、仮設住宅の建設が、民間住宅の建設や賃貸住宅の供給を阻害してはならない。
そのた住宅切符制によって低所得水準の人たちや高齢者の生活を保障することが必要であるめに、住宅切符制は民間による建設のインセンティブを阻害せず、被災者の生活を守ることができる。
これを速やかに実現するためには、11年間程度の時限付き仮設住宅を建設することが望また、ましいさらに、このような大震災といった緊急事態に対しては、定期借家権は有効な機能を果たすだろう。二年間といった限定的な借家契約を用いれば、多くの住宅が賃貸住宅として供給されることになるだろう不足の認定はできないさて、いかなるものだろうか。望ましい住宅政策とはそもそも社会保障あるいは再分配政策として考える必要がある。
政府介入が支住宅政策は、一般に、持されている根拠として、市場の失敗が存在しなければならない。
市場が失敗するケースとしては、外部性や規模の経済性、公共財の存在などがあるが、住宅というサービスについて、これらが妥当するという十分な証拠はない。

したがって市場の失敗を理由に、政府が住宅市場に介入することは容易には認められない。これに対し、一般的に民間住宅が不足しているから、公的に住宅を供給することが望ましいとする議論がある。しかし、この議論には大きな問題点がある。民間住宅の不足をどのように住宅が高いから安くしろというのは、定義するのかという、たいへん困難な問題がある。より大きなむだが発生することを無視した議論である。
したがって、効率性の観点から、政府による公的な住宅市場への介入を正当化するのはむずかしい。このような意味からも、再分配政策としての住宅政策は再考すべきであろう。富めるものか望ましい住宅政策とはいかなるものら貧しいものへの再分配政策として住宅政策を考えると、であろうか乏し

多くの国でそうであるように、住宅問題というのは政治問題化しやすい。日本でも住宅にっさまざまな補助や規制がある。

ては外国同様、公的な主体による住宅の直接供給をはじめ税制上の優遇措置、また民間主体の住宅建設や購入に対する補助、さらには住宅供給者に対する補助など、かなりのものが存在するしかし、一定の所得水準以下の人たちを保護するには、所得の再分配によって実施すべきである。
近隣住区である。住宅の需要や供給に補助をつけること自体に説得的な論拠を与えることは、それほど簡単ではない。本当に望ましいことなのかという衣食の足りてない人々に住居を与えることは、公平性の問題がすぐ頭に浮かぷ。家賃補助による分配が望また、所得による再分配ではなく、ましいという論拠も説得的ではない。この点を、もう少し詳しく説明しよう。住宅補助には次のような問題点がある。いま住宅に一定の補助金を与える場合を考えてみよう。
住宅価格が実質的に低下する結果、人々は自分が住みたいと思う住宅よりも、より大きな住宅を需要しようとする。本来なら住宅を節約して衣食にあてたほうがいいという人も、家賃補助のためにより大きな住宅に住む結果になってしまうかもしれない。このときに、もし家賃補助ではなく、所得補助が与えられた場合はどうであろうか。

そのときは同じ金額の補助である場合でも、いまよりも住宅を節約して、他の衣食により多くの支出を割くことになるであろう貧しい人々に対する再分配のあり方として、所得ではなく住宅そのもので供給すること自体に、果たして合理的な根拠があるだろうか。所得水準の低い人々がいまの住宅よりも必ずしも大きな住宅を望んでいるとは限らないし、また住宅でなく所得で補助されれば、住宅よりも必需性の高い財に需要を振り向けるかもしれない。そのような合理的な人々の行動を無視して政府が住宅での補助を考えることに合理性を認めるのはむずかしい。
短期的な住宅不足と長期的な住宅不足終戦直後の日本が経験した大量の住宅不足や大震災直後の一時的な住宅不足の意味でも、と、分けて考える必要がある高度成長期に見られた住宅不足とは所得水準が上昇する過程で住宅需要が増加したり、より大きな住宅に対する需要が増加することは当然の現象である。需要曲線が右にシフトする過程で住宅に対する超過需要が発生する。しかし、これは市場メカニズムにまかせることが望ましい。
これに対して、前者の一時的な住宅不足に対しては、仮設住宅といった公的な支援が必要とされる。しかし、前述のように、こ民間の住宅供給を阻害するものであってはならない。の公的な支援は、住宅切符制度は、右に述べた家賃補助制度と実質的に同じである。
もちろん家賃補助制度よりも所得補助制度のほうが効率性の観点から望ましいと考えられるが、一挙に住宅ストックが不足している緊急事態においては、ある程度は家賃補助ないしは住宅切符制度の合理性は正当化されるものと思われる神戸で被災した被害者の人々に対して、数年間の期間限定で住宅補助ないしは住宅切符を提供すること自体は、効率や公平の観点からも、それほど大きな問題をもたらさないであろう。

債務(借入金)

予算は長野の家といまの家の売却価格に退職金を合計した金額の範囲内

北風と太陽

しかうか。もちろん、し、若い人たちのなかには、昼間はほとんど家にいないで、外で働いて夜帰ってくる人たちも日照よりも安い家賃のほうが彼らにとっては、日照はそれほど重要な意味を持たない。いる。好ましいかもしれない。必要のない権利であっても、それを売買することはできない以上、日照権を買い取っ本来、て高い建物を建築したい人がいても、それは実現できない。
この意味で、現実には容積率規制よりむしろ、日照権の制度自体がネックになっている。によれば、阪神·淡路大震災の後で二重債務を回避するために八田達夫教授東京大学共同住宅を建設する計画が持ち上がった。
しかし、同じ地区内の10戸の戸建て住宅に日照を100戸分減らさなければならな保障するために、当初は二七二戸であった共同住宅計画を、くなったという。
少なく見積もっても三五億円分の一戸を三五00万円とすると、共同住宅の(住宅市場と公共政策岩田規便益が、たった10戸の日照確保のために失われたことになる久男·八田達夫編『住宅の経済学』第一章、日本経済新聞社、一九九七年)。潜在的には、いるはず右に述べたように、日照権を売却してもよいと考えている人たちが、そこに住みたい人たちである。
日照権を売却してもより安い住宅価格や家賃で住めるならば、どう考えるべきであろうかもいるはずである。その人たちの選択肢を認めない法律とは、個々人の自由な選択よりも人間にとって重要な価値が存在日照権売買を禁止するためには、売買してはならない固有の権利があることはいうまでもしなければならない。
人間にとって、日照権がそのような基本的な人権と同じような地位を占めるかどうかについてない。しかし、日照権売買市場を創設するための法を整備すべきである。疑問がある。

は、この意味でも、容積率の売買制度

高度利用を実現するために考えられているもう一つのプランは、の容積率の売買制度である。近隣の区域のなかで、土地所有者の合意があれば、ら制度は、複数の敷地をひとまとめの敷地と見なして、現状では利用していない容積率や日照権の取引を認めるものである。利用しにくい袋小路になった土地の容積率を売却して表通りに移せば、この容積率を有効に使うことができる。
都心部にはスプロールとよばれる虫食い状の整形されていない土地がたくさん存在する。これらを整備するには、容積率売買制度が必要である。
容積率は、これまで一つ一つの敷地に対応して、そこに建てられる総床面積を規定していたその売買を認めれば、必要とされる場所に容積率を移せることになる。現状ではうまく利用できない容積率を、他の有効な場所に移転できるようになる。都市計画法の改正によって、徐々にではあるが容積率の移転が可能になってきた。

日産スタジアムの駐車場災害防止にも役立つところで現状では、建築基準法に規定された容積率や建ぺい率に違反した建物既存不適格がたくさんあり、そのために、建物が老朽化しても建替えができないといわれている。つまり、建て替えるときには、法律に合うように建ぺい率や容積率を抑制しなければならず、既得権が守られなくなるからである。建替えにともなって、一部の人は転居しなければならないかもしれない。前章で述べた権利調整の問題が発生する。このとき、容積率売買市場ができれば、現状では余分の容積を保有している土地所有者から容積率を購入して、建物を共同化したり、高層化することができる。
これは権利調整の問題を緩和し、既高層化を促進するうえできわめて有効である。得権を守ることにもなり、日照権の売買と同時に、このように容積率売買制度が実現できれば、都心部では土地の有効利用と高度利用が実現することになる容積率売買制度は、不良債権の処理に頭を抱える金融機関にとっても、土地流動化対策として有効であろう。
不良債権になっているような土地は権利関係が複雑で、それらの複雑な権利をばらばらに解きほぐす必要がある。
容積率や日照権を別々の権利として売買できれば、その土地をより有効利用できると同時に、その流動化にも貢献する(不良債権と貸し渋りの関係は次章で検討する)震災時に危険な地域がたくさん存阪神·淡路大震災で明らかになったように、都市部には、それらの地域には、木造で低層な住宅が密集している。在する。
このような地域を災害に強い建物を建て替えて、土地を高度利用する必要がある地域に再生するためには、高層にしなければ、建物を共同化して、災害時に必要な避難場所や公園、さらに延焼を防ぐための空閑地や広い道路を整備することはできない。売買できない日照権を保障することよって、高度利用や不燃化が阻害される結果、災害時に人々の命が危険にさらされるとしたらこれは本末転倒といわざるをえない。
れまで述べてきた都市の高度利用を促進すべきであるという議論に対して、都市環境の悪化を理由に反対する人々がいるそれには、次のような背景がある。

交通量の増加にともなって、排気ガスが発騒音や振動、依然として沿道環境の悪化が続いている。生し、また、都市内においても道路は慢性的に渋滞し、鉄道の混雑も極端な水準に達している。被害を生み出す自動車の交通を抑制するには、規制によって経済活動の水準自体を抑制すべきだという議論がある。

大都市に対する成長管理政策である。その典型は、大都市、とくに東京は過密であるといわれる。人口や産業の集中にともなう外部不経済がさまざまな場面で発生している。

その対策として、東京への新規の事業所立地を規制したり、東京の容積率を引き下げることいわゆるダウンゾーニングによって、人口や諸機能の東京への新たな流入を阻止し、東京の住環境を守るべきだと主張される。これは、成長管理政策と呼ばれる。
これをマクロ経済にも応用すると経済成長率をコントロールすることによって、環境を守るべきとする議論が提起される。なのは外部不経済の内部化しかしこの種の議論は、経済成長や都市集中によって発生する外部不経済は、経済成長や都市への集中そのものの抑制によってしか達成できないことを前提としている。それらは、成長や集中がもたらすさまざまな利益を考慮していない。
経済成長は所得を増大し失業率を減らし治安を改善する。都市においては、集中を促すことによって、土地を集約的に利用し、安全で道路や緑地帯を生み出すことができる環境の良い都市を実現するための公共スペース他方、集中にともなって発生する混雑現象や環境の悪化は、経済学では、技術的外部性の問題と呼ばれる。

このような技術的外部性が存在することは、交通·輸送活動にともなって発生する社会的費用が、沿道住民や他の交通サービスの利用者に及ぼす被害額だけ、私的費用を上この被害額を外部費用と呼ぶが、回ることを意味する。
土地の評価額の減額

団塊世代

被相続人の財産の管理状態(誰が管理していたかなど)
望ましい資源配分を実現するためには交通輸送サービスの需要者に私的費用だけでなく、外部費用を含めた社会的費用を負担させなければならない第二章補論参照。したがって、重要なことは、成長や集中の利益をできるだけ増大させるとともに、成長や集中にともなう外部不経済を内部化する手段を採用することである。そのために、外部不経済の発生者に外部費用を負担させることが、効率性および公平性の観点から必要である。
以下では都市交通による外部性を内部化させる手段を検討し、望ましい都市混雑対策と自動車交通抑制策について考えてみようの悪化を防ぐ経済活動によって生じる被害が全国的に及ぶものではなく、ある地域で限定的に発生したりある地域にとくに大きな被害をもたらす場合がある。被害はその地域に限定されている。
都市環境問題は、地球環境の問題とは異なり、自動車の沿道の住民たちには著しい不利益をもたらすが、交通によって発生する騒音や粉塵は、沿道から比較的離れた地域の住民に対しては、それほど深刻な影響を及ぼさない。たとえば、東京の環七通りなどの幹線道路においても、沿道の1列目ないし二列目の住居は騒音の水準は高いが沿道から!OOmほど離れた住宅地では、騒音の水準はかなり低減する。
したがって、それよ道路騒音からはほとんど影響を受けないと考えられる。

リ背後の住宅地では、また沿道の自動車交通から生じる粉塵などについても、風向きによる影響などもあるが、沿道からかなり離れた地点では、その被害はほとんど無視できるほど低い。このように、地域に固有の被害が発生している場合には、その地域での自動車交通に課徴金を課す必要がある。自動車走行量の低い地域では、被害は無視できるほど小さい点を考慮すると、とくに人口や産業の集中している都市内での走行にかぎって、自動車の走行に課徴金を課す必要が生じる。
たとえば環七通りの沿道や幹線道路の走行に対してのみ、騒音から生じる被害額を計算し、その自動車1台の追加走行による被害額だけ幹線道路の自動車利用者に課徴金をかけることが考えられる。この課徴金を負担する必要環七通り以外の道路の交通利用者は、

この意味で課徴金は、地球温暖化対策としての炭素税やガソリン税とは、性質が異なるものであり、炭素税は沿道環境問題の解決策としては有効ではない。
これまでは、被害の発生している特定の区間において、特定の時間だけ自動車交通に課徴金をかけることは、技術的な問題があるとされていた。
これも現在では、自動車料金収受システムETCの導入によって克服されようとしている。料金制には大きなメリット非効率な都市インフラが交通渋滞をもたらしており、交通渋滞によるさまざまな損失は都市部に集中している。警視庁の調べによると、道路の渋滞による時間損失は、金額計算で年間111兆円にも及ぶ。
混雑による渋滞時には、なぜなら、NOxやSOxなどの排出量も増加する。
NOxやSOxは低速運転時に排出量が増加するからである道路の利用者に対して交通容量が著しく不足しているために生じる問もちろん交通渋滞は、題である。
相続人が毎日の通勤電車に見られるような非人間的な混雑状態は、道路だけでなく、多大な社会的費用を発生させている。社会的な混雑がもたらす大きな歪みを除去するためには、とくに道路、鉄道を中心としたインフラの利用に対する混雑料金制を導入する必要がある。現在、首都高速道路、阪神高速道路高速自動車国道などでは、季節、時間帯、混雑の如何を問わず料金を均一にする制度が採用されている。これでは、道路利用を平準化するインセンティブを運転者に対して与えず、混雑を鉄道や高速道路におけるピークロード·プライシング促進している。
時間差料金制を導入するとともに、大都市を中心として、一般道でも、ITを利用した課徴金システムを確立し混雑料金制を導入すべきである鉄道のサービスでいえば、JRや私鉄では入札·改札が完全に電子化されているために、時間別にこれらの料金体系を変えることは非常に簡単である。
混雑時の鉄道利用コストが大きくなるため、時間費用の高い人忙しい人以外は、その時間を避けて通勤するようになる。また、現状のように通勤費用が企業の負担になっている場合には、企業は重くなった負担を回避するために、フレックスタイム制を導入するようになるだろう。

このような負担に耐えきれない企業は、郊外や地方に進出し、通勤費用の低い労働者を雇用することになる。その結果、東京の一極集中が抑制され、地方の活性化にもつながる。損害賠償は可能か右に述べた混雑料金制の導入を提案すると、いまでも十分に高い高速道路の料金を上げるなとか、「いつも混んでいて高速で走ることができないのに、なぜ料金を上げるのど言語道断」といった反論が返ってきそうである。混雑料金ではなく、逆に十分なサービスが得られなだいのだから、損害賠償してもらいたいくらいだ、というのが人情であろう。
実際、JRや他の私鉄では、一定の時間以上の遅延があった場合には、消費者に特急料金や新幹線の料金が払い戻される。消費者に十分な質のサービスを供給できなかったその根拠は、ことに対する賠償である。
この場合の払戻しは企業の負担であるのに対して、混雑という現象によって、同じように十分な質のサービスが供給できなかった場合に、なぜ消費者が高い費用を負担しなければならないのだろうかこの現象も、コースの定理を用いて考えることができる。コースの定理では、さまざまな権最も効率的な資源配分が実現できる。
これまで市場で売買利や責任を売買することによって、

されなかった権利や責任といったものを自由に取引することによって、効率的な資源配分が実自由な取引が認められれば、現される。コースの定理では、誰に責任を課しても、効率的な資源配分が実現される公団がコストを負担するとここで、混雑税を供給者に負担させる場合を考えてみよう。
混雑によって、高速道路で一定の距離を走行する時間が予想以上にかかった場合、高速道路公団がその遅延に対する賠償金を支払うとしよう。すると、道路サービスの供給者はどのように対応するだろうか混雑を解消するには二通りの方法がある。
一つはキャパシティを増やすこと、もう一つは利用者の数を減らすことである。

コレクティブハウジング

被相続人の遺産とは別のもの

道路の拡幅によるキャパシティの増大は、短期的には不可能である。このとき、消費者の数を減らすことが必要である。道路公団がお金を払って、消費者の数を減らすためには、利用者に高速道路に乗ることをあきらめてもらう必要がある。つまり、道路利用者に一定の金額を提示して、この時間帯の道路利用をあきらめてもらうのである。オーバーブッキングの際に、これは、アメリカの飛行機会社やホテルがよく使う手段である飛行機会社は、一定の率のキャンセルを予想して座席以上の予約を取っている。
実際にキャンセルが少ない場合には、オーバーブッキングが起こる。利用者の数が座席数を超えてつまり、しまう。このとき飛行機会社は、一部の利用者にお金を払ってサービスの利用をあきらめてもらう。これと同じことを、道路公団がすればよい。
このようにしても、利用者の数を減らして、混雑を緩和することは原理的には可能であるこのとき利用者が負担するコストは、料金+乗らないときの補助金に等しい。

高速道路を利用しなければ、一定の補助金が得られるのに対して、それを利用する場合には、その補助金をあきらめて、さらに通行料金を払わなければならない。最適な点では、この補助金の額は混雑これがコースの定理の意味である。混雑税を利用者に負担させても、料金に等しくなる。供給者に負担させても、混雑は解消されることになる消費者に遅れの原因があるとするとそのとき重要なのは、それでは誰が最安価損害回避者か、という問題である。誰にコストを負担させたときにより安い費用で一定の損害を回避できるかが重要である。
混雑料金によって消費者にコストを負担させて利用をあきらめてもらう方法と、供給者が利用者に右のように、お金を払ってその利用をあきらめてもらう方法では、どちらが安上がりだろうか混雑が発生したときに、すべての利用者に対して一定の金額を提示して、一部の利用者にその時間帯での利用をあきらめてもらう方法は、非常にコストがかかる。

これは、実際にJRの特急や急行が遅れたときに生じる払戻窓口の混乱を見れば、容易に理解できる。これを毎日厳密にいえば、朝夕のラッシュ時に実施するのは不可能である。-払戻金はこの補助金サービスを利用しなかった潜在的利用者全員に支払われる必要がある。しかしこれは、まっく不可能である。

消費者に混雑料金を負担させるほうがより効率的であろう。
子供には相続税がかかるこの意味で、これに対して、JRの特急の遅れによって、一定の質のサービスが確保できない場合の対策として、従来の方法とは違った方法を考えてみよう。電車の遅れの原因は消費者にあるとして、消費者にその負担義務を負わせることにしてみよう。そのとき事故が起きないように、JRの利用者たちが、機械の検査士や整備士を雇って電車のサービスの質をチェックする必要があるこれがいかに荒唐無稽かは、直観的に明らか

これによって原理的には一定の質を保つことが可能であるが、もちろん、である。そのときのJR側が事故の責任を負う場合よりもはるかに高くなる。
つまり、コストは、このときの最安すなわち事故による遅れを引き起こさないように努力するた価損害回避者はJRだといえる。
供給者側が負担したほうが安上がりといえるめのコストは、JRの遅れによる損害賠償責任は供給者に求めるのが合理的であるのに対ししたがって、これが、混雑による質の低下は消費者によって負担されるべきである。
混雑料金を利用者に課す理由である11-五倍に値上げすべき中実際に支払われなければならない混雑料金はいったいいくらになるのだろうかそれでは、鉄道混雑が利用者一人一人にどのような不効用を及ぼしているかについて推定し筆者たちは、た。この推定作業を簡単に説明しよう。
通勤時間によって失われる自分たちの余暇時間は、人々が自由に住所を選択するとき、家賃より郊外から都心に通う人が支払っている家賃や地価は、都や地価に反映されるはずである。心に近いところから通勤する人が支払っている家賃や地価よりも低いはずである。

いい換えるこのような通勤時間や都心までの輸送費用がかかることをと、郊外のほうが地価が低いのは、郊外のほうが通勤に不便な分だけ、地価は安くなる意味している。つまり、毎日の通勤から受ける疲労感や不快感は、混雑率や通勤時間に比例するはずで同じように、このような心理的費用や不効用も家賃や地価に反映することになる。ある。
したがって、この郊外に行くにしたがって生じる地価の低下分のなかから、通勤者が負担して関係に注目して、回帰分析を用いて抽出することによって、鉄道サービスの混雑現象による社会的いる費用を、ある駅から徒歩圏にある住宅地の地価と、費用を実証的に推定することができる。
つまり、より郊外の駅にある住宅地の地価との差のどの部分が、混雑という要因によって生じているかを分析するもう一人同じ車輌に通勤者が増えたときに、どの程度不効用が発生するかこのようにして、実際に首都圏の鉄道を対象として、社会的費用を計測し、を利用者全員について合計する。
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